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セーラームーンACの思い出
桃原さん、南田さん。
かおるです。昨夜はありがとうございました。とっても楽しかったです。そして遅ればせながらブログ開設おめでとうございます。せっかくなのでご挨拶代わりに桃原さんとこでセーラームーンACのお手伝いをさせて頂いた時の思い出話でもしようかと思います。といっても10年以上前の記憶なので、間違ってるとこがあったら‥‥桃原さん指摘お願いします!(おい!)

今はコンピュータ処理の世界になってやり方も違っているそうですが、あのころはだいたいこんな感じでACは作成されてました。
0)事前準備
・アシスタントが番組から台詞の聞き起こしをやっときます。脚本があってもアテレコのタイミングでけっこう変わったりしてますので。

1)フィルムの切り出し。
桃原さんがTVを見つつ、ACに収録しよう!と思うコマを決めて絵コンテに赤で指示を描き込みます。端で見てるとビデオが壊れそう‥‥と心配になります。コマ送りして見てるんで。
その後コンテの指示通り、アシスタントがフィルムをビュワーで見つつ必要なコマを切り出す。TVだと16mmですが、映画だと35mmフィルムなんでぐるぐる回すのが重いのにびっくり。最初はよくわからなくてキズのあるのを選んじゃったりしましたが、そのうち判ってきました。
「動画じゃなくて原画を選ぶ」とか、動きの中から選ぶときのタイミングとか、桃原さんの拘りがむちゃくちゃ感じられて楽しい作業でした。コンテに「指がこうなってるやつ」とか絵が描いてあるんだ(笑)

2)構成
AC作成の花です。マンガで言ったらネームというのでしょうか。ACの場合、絵は既にあります。だからどの絵をどの倍率でどのコマに当てはめるかというのを決めていくのですが、これは本当に大変な作業です。
1頁の中で倍率をあまり変えないようにとか制約もあったのですが、色々ワザが開発されてまして‥‥。企業秘密かな(笑)。
とにかくトリミングの段階で桃原さんからアシスタントに渡されるのはコマ割された構成用紙とフィルム。コマにはNoのフィルムを何%に拡大して入れるという指示がかいてある。なんでこれでイメージ掴めてるんだか凡人には驚異の世界です。
この段階でフキダシの位置や台詞の字組とかもだいたい決まってるみたいです。台詞を活字にしてもらう用発注します。

3)トリミング
構成用紙にフィルムを指定倍数に拡大して書き写していく作業です。要は印刷屋さんへの指示書になるわけですな。だから細かく書きすぎても時間のムダです。
でも当初の私のようにあまりに大雑把に書くと桃原さんが困ります。この絵を手がかりに桃原さんがフキダシの調整や書き文字とか入れていくからです。
暗い部屋で、引き延ばし機という機械でフィルムを拡大投影して書き写す単純作業ですが、桃原さんの構成の妙に唸りつつ、ひたすら根性でやっていきます。

4)版下作り
枠線を引くのはアシスタントの作業です。ロットリングを初めて使いました。一様な線を引くのはなんだか無心になれて、作業療法みたい‥‥と言ったら笑われました。
桃原さんがフキダシと書き文字を書いていきます。銀河鉄道999の時は松本先生のうよ〜な書き文字を真似てたんですよね。こだわりこだわり。

あと出来上がってきた台詞をカッターで切って貼る! なんて地道な作業‥‥。それからホワイトかけ。うーん。とにかくこのあたりは雑で大雑把な私には向かない作業だったかもしれない‥‥(汗)

5)色指定
原稿にトレペを貼ってコマのバックの色とかフキダシの色を桃原さんが決めていきます。原稿と構成用紙とフィルムを担当さんに渡して作業終了。本1冊分まとめて作業するんでスゴイ物量になります。144頁分っていうと見開きで72枚の紙がぶわっと‥‥。

6)色校正
版ができてきた段階で構成。色版がズレてるとか最初はよくわかりませんでしたが、色々教えてもらってわかるようになりました‥‥。あと版を作るときにフィルムにゴミが映り込んでるとか厳しくチェックしてました。
でもなんか重箱の隅をつついていると、大きなミスをうっかり見逃したりして。たとえば書き文字の色が思いっきり抜けてたとか(笑)。ダブルチェックが重要ってのがよくわかりました。

さて。
で、セーラームーンは0)の事前準備がちょっと変わっておりました。事前準備っていうより脚本‥‥みたいな。ACの脚本って何よ。

セーラームーンはTV番組3話を1冊に押し込める上に、ページ数が少なかったからけっこう大変でした。その上、本に収録されるのは全話じゃないから、未収録回で設定話が語られてるとそれを無理矢理押し込むんですわ。ルナとかアルテミスの台詞に組み込むとかして‥‥。なのでそれまでのACと違って、ACの台詞にはけっこう改変が加わっていたんです。

聞き起こしは私が主にやっていたのですが、途中からこうしてみたらどうかなって案を書き加え始めました。今思えば、ファンフィクが書きたいという気持ちはあのときに芽生えたのかもしれません(苦笑)。
それがなんとなく採用して頂けたので、どんどん図に乗って、最後にはシーンを入れ替えて整理するとか、動画の途中の絵を取って説明台詞を加えるとか、無茶なこともやってました。おかげで我が家のビデオもコマ送りでばかり見ていて‥‥よく壊れなかったな(笑)

あの頃はいつもセーラームーンの登場人物たちのことばっかり考えてました。どうしたらより判りやすく、齟齬なく、カッコよく表現できるかなーって。なんというか娘や息子のようでしたね、あの連中が(笑)。だから実写版のデキが良かったのはすごく嬉しかったです。小林さん、良い脚本を書いて下さって、本当に本当にありがとうございました!!! って感じで。
いや、私がお礼を言う筋合いは全く無いんですが(笑)
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by かおる@Oz's Leaves
author:ゲスト投稿, category:お仕事(アニメコミック等), 23:29
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「ふたりはプリキュア」初校中
こっちの編集部の星野(妻)君には、
これからいろいろ頑張っていただくとして(笑)、
桃原の現況を。

新しいアニメコミックの仕事
「ふたりはプリキュア」(第1シーズン)は、
かつて「セーラームーン」をやらせていただいた
講談社なかよし編集部での久しぶりの仕事となりました。
もちろん担当さんは当時とは違う方です。
(星野とは違うのだよ、星野とは!)

現在第1巻の初校中。
アニメ制作がデジタル化したように、
校正刷りも当時と異なりコンピュータ出力になってます。
(再校で初めてフィルム製版となります)

桃原の構成自体は、レイアウト用紙に鉛筆で枠引き、
ダブルトレペにペン描きの版下とアナログのままです。
モニタ上でのネーム作業は、紙の上より効率が悪そうなので、
というか、多分アイデアの速度に対応できなさそうと
(試したことはないが)思ってる次第。

さて、このブログが、いつかは
かつてのキュータイプ会員さんたちの目にとまり、
再び集っていただけたりしたら
(立ち消えとなってしまった責任を感じている身としては)
たいへん嬉しく思います。
author:桃原, category:お仕事(アニメコミック等), 23:36
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